ペット共生集合住宅の二つの側面

vol.2 

ペットと共に住むことを考える上で、戸建てにするか集合住宅にするかは、まず最初にしなければならない大きな選択です。
犬を飼っていて散歩コースは自然が豊かで交通量が少ないところを選びたい、と思えば土地が安い郊外の戸建てがよいということになりますし、駅に近く便利なところにしたい、あるいは長期に渡る資産性を確保したい、と考えればマンションがよいということになります。

また、ペットと住環境に関するヒアリングをしていくなかで、「現在マンションに住んでいてペットを飼っている人と飼っていない人の価値観が違いすぎて精神的にはつらいが、できれば集合住宅には住みたい」、という悩みを話されていた方も一定数いらっしゃいました。

こんなに多くの方が困っているならペットラバーズだけの集合住宅ができるのではないか?と考えたりしますが、一方で、集まって住むもう一つの意義、「コミュニティを創り、世代や層をまたいで豊かに暮らしていく」という役目も考えなければと思います。

私がまだ20代のころ、勤めていた設計事務所の先生と話す中で、私がイギリスのニュータウンの整った美しさを讃えたら、先生はとても印象に残る話をされました。「ヨーロッパの昔の街は、表も裏もあって、裏で悪いことをした人が街の中心の教会に行って『ごめんなさい』って反省してた。そうやって人々をまるごと受け入れてきた強さがある。自分はそういう強さのある街が好きだ」というような趣旨でした。

街を表面的な美しさだけで捉えていた私に、そこだけじゃないよ、目には見えない強さや懐の深さが、奥行きや美しさにつながっているんだという側面を教えてくれたのだと思います。

街と1棟の集合住宅を同列に語るのはいきすぎかもしれませんが、ペットと暮らす集合住宅にも同じような側面が存在します。住みやすいように整えたいし、集まって住む上での懐の深さも忘れてはいけない。

ペット共生を考える上での2つの側面を、日々行ったり来たりしています。

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