100人との対話 第5回

お名前:原田さん(仮名)
お住まい:東京都・区分マンション
ペット:小型犬1匹(予定)

家族に犬を迎えたいと思いつつ、住まいの条件と折り合いがつかない。そんな悩みを抱える方は多いのではないでしょうか。東京都世田谷区に住む原田さんも、夫と7歳の息子さんの3人暮らしをしながら「いつかは小型犬を飼いたい」という夢を温め続けてきました。しかし物件が少なく、ペット共生マンションの装備に対する疑問も多くお持ちです。


先ずは物件の基本条件をクリアするところから

石原:
「今日は宜しくお願いします。近々犬を迎えたいとのことですが、どのような考えでおられますか?」

原田さん:
「よろしくお願いします。うちは夫と7歳の息子の3人暮らしなんですが、そろそろ小型犬を飼いたいと思っていて…。ただ、今住んでいる2LDK賃貸はペット不可なんですよね。マンション購入も視野に入れ始めたんですけど、なかなかうまくいかなくて…。」

石原

「原田さんは小さい時から犬を飼っていらしたとのことで、今のお子様との暮らしの中にもペットとの生活を求めていらっしゃるのですね。

でも、住まい手の求める暮らしに合致してペットも飼える物件が探せない、、これはペット共生の住環境が抱える大きな問題です。

原田さんの現在の環境はペット可を除けば一定程度希望に合致して住まわれていると思いますが、どのような環境かお教えいただけますか?」


 原田さんの今:2LDK・約70平米に住む3人家族

原田さん:
「今は世田谷区の賃貸マンションに住んでいます。駅から近いし、小学校や中学校も徒歩圏内で立地はいいですね。大家さんがリノベーションするタイミングでキッチンの改装だけ相談させてもらえたのはラッキーでした。ペット不可をわかって入居しましたが、犬との生活の想いが募る中、 夫は『チワワ程度ならいけるんじゃない?』なんて言っていますが(笑、飼える物件に引っ越そうと思って苦戦中です。」

石原:
「なるほど、お子様が小学校に上がる年齢なので、部屋の使い方も変わるとなると、人の側の住まい方にも今の家が対応しきれなくなるかもしれませんね。今後の人生設計と住環境の視点ではいかがでしょうか?」

原田さん:
「子どもがまだ7歳で元気いっぱいだし、夫婦共にテレワークが増えてきたので、今後は部屋数や広さも見直さないと厳しいです。最低でも1人1部屋欲しいくらいに思っているんですが、世田谷あたりで予算6000万円だと難易度が高くて…。また、私たちは将来いつか戸建てに引っ越すかもしれないし、マンションを売却する可能性も考えると“資産価値”も気になってしまって。」

石原:
「ご予算がある中での物件探しはどなたにとっても大変なことだと思います。ペット可物件は駅から遠い傾向がありますが、その分価格は抑えられるので、駅距離以外の条件はクリアする条件にしてみる等、優先順位を調整しながら探されると良いと思います。それでもペット可物件に出会うのが大変なので、情報誌をチェックしたり、不動産屋さんを巡るなど地道な努力が必要になります。」


ペット共生マンションの希望や疑問

・防滑と防音を重視したい 

石原:
「ペットとの暮らしを考えた場合にどのような点を重視したいと考えておられますか?」

原田さん:
「小型犬でもフローリングがツルツルしていたら足腰に良くないと聞くので、滑りにくい床材がいいですね。それと、“夜泣き対策”や“におい”も気になるので、ある程度の防音・消臭性能があれば、近隣トラブルを最小限にできるんじゃないかと思います。」

石原:
「床と防音はペットと暮らすための大きな課題ですね。特にマンションではベーシックな仕様が出来上がっているので、後からの対策に限界があります。

やはり最近のマンションはフローリングが多く、カーペットと比べて清潔性・清掃のしやすいので、毛が抜ける犬の場合は使い勝手は良いです。ダニでいつもかゆい、となっては犬も可哀そうですからね。ただ、足腰にはおっしゃる通り負荷がかかってしまいます。最近は防滑塗料もありますが、爪がフローリングにカチカチ当たるのは避けがたく、防音性能の側面からも気になるところです。

内装を選べたりリノベーションをかけるなら、クッション性のある樹脂のシート材にするケースが多いです。あとは住まい方で工夫してフローリングの上に部分的にラグを敷く等の選択も現実的だと思います。

“鳴き声”や“におい”も防音性能、換気性能がマンションの躯体側に多くを頼ることになりますが、ダブルサッシや室内の清浄機といったもので一定の対応は可能です。また、一室だけ防音機能を上げるというアイディアも現在検証をしています。

鳴き声等は幼少期からペットを躾ることによっても変わってくるので、トレーナーさんに指導を仰いでなぜ鳴くかを理解して育てていくことも大切かなと思います。」

足洗場はいる?

原田さん:
「なるほど、あと、お散歩の後、足を洗いたいときの水場が共用部にあるマンションも見かけましたが、必要なものなのでしょうか?」

石原:
「犬の脚は毎日洗うものではなく、洗ったらしっかり乾かすことが大切です。獣医師さんから聞いた話ですが、乾燥を怠ると生乾きの脚を犬がぺろぺろ舐め、口の中の細菌が脚に付いて感染症に発展する可能性があります。なので家に入るときは乾いたタオルで拭くくらいで良いといわれています。

大型マンションのエントランス近くの足洗場は、「泥だらけで廊下を歩かないでね」、という、都会では少ないシチュエーションを想定した砦のような意味合いかもしれません。

原田さん

 「私も雨の日に泥だらけになった時くらいしか使わないと思っていました。玄関やお風呂場をワンコと共用できるスペースがあれば十分なのかな…と思います。」

ペットクラブはあった方が良い? 

あと、子育てでもそうなんですが、同じ境遇の人が近くにいるといざというとき相談しやすいですよね。犬のしつけとか病院情報とか、何かトラブルが起きたときに声をかけ合えると安心。ペット共生マンションだと『ペットクラブ』を作って、住民同士で情報交換したり、預け合ったりするという話を聞いたことがあります。」

石原:
「ペットクラブの存在は大きいというお話をよく聞きます。情報交換や預け合いもありますし、ペットを飼っている住民と飼っていない住民のライフスタイルの橋渡し役としての側面も大きいです。

鳴き声や毛が舞うといった問題で、特定のペットオーナーと飼っていない住民さんとの間に軋轢が出たときに、一対一の関係ですと際立った状態からスタートしてしまいがちです。一方、ペットオーナーが主体的にグループを作ると、飼っていない住民も言いやすくなり、特定個人ではないので対立関係が穏やかになる傾向があるといえます。

「飼っていない住民が言いやすい」と、次から次へと言われてしまう感覚がありますが、トラブル全般に言えることですが、言わずに我慢する期間が長いと水面下で対立関係が大きくなってしまうので、早くに吐き出してもらった方がいいです。

うまくいっているペットクラブはトラブルになる前に問題を共有し、問題への対応もペットオーナー同士で迅速に行い、マナーを向上させています。最初は大変かもしれませんが、こうした取り組みによって、ペット共生を謳った物件も増えていくのではないかと思います。」

原田さん

 「住民同士の関係も大切なことが良く理解できました。今後の物件探しに活かしていきたいと思います!」


結びに

東京で犬を飼うのは「ハードルが高い」と感じてしまいがちですが、実は設計と共にコミュニティ、躾の工夫でぐんと快適性が増します。今回の対談でも「リノベ―ションによる対応」「愛犬のしつけや健康管理」「近隣と連携」など、視点が出てきました。
話し合いを進めていくと選択肢は確実に広がります。

犬と家族がともにくつろぎ、育ち合う住まい――

そんな理想を実現するために、ぜひ原田さんのように専門家と相談を重ねてみてはいかがでしょうか。ペットと人の笑顔があふれる暮らしは、きっとあなたのすぐ近くにあります。

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