サングマ・テニー
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建築家・ペット保護70匹
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Director of The Learning Circle 日本在住17年

石原弘明
スペシャルリレー対談 Vol.02
「建築と異文化の視点から見る、
犬と楽しむ日本での暮らし」
70匹以上の犬猫を保護してきた建築家の石原弘明と、
多摩川の近くに引っ越したのを機にワンちゃんを買い始めテニーさんに、
外国人がペットを持つ難しさや、日本と海外のペット事情の違いなどについて
楽しくお話しして頂きました。
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国際的な視点で考える!
人も犬も心地よい暮らしづくりとは
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MUSUBI houseではペットと心地よい暮らしを提案しています。
今回はその中でも「外国の方が日本でペットと暮らすこと」にフォーカスして
Tenieさんと対談をしました。
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犬を飼うと決めてから

石原) 海外から来られる方が犬を連れてるのをよく見かけるなと個人的に感じていて、
テニーさんは、日本へ来て17年ということですが、なぜ今、犬を飼おうと決めたんですか?
何かきっかけがあったら、教えてください。

テニー) 子供達と主人はずっと何年も犬を飼いたいと言っていて、でも私は、責任も大きく、世話も大変だし、どこにいくのもペットOkなところばかりではないし、というか、とにかく『大変だから!』という一点張りでダメと言ってました。(笑)でも、コロナになり、娘が海外の大学に行くことも決まり、そのタイミングで彼女が家を出る前に犬を飼おうと決めました。とても、感情的な決断でした。
石原) そうなんですね。お嬢さんたちは喜んだでしょうね。では、特に住環境の改善は必要なかったんですか?飼いたいと思ったタイミングでワンちゃんを迎え入れるのは難しかったんではないかと想像するんですが。
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テニー) そうですね、日本に来た当時は賃貸に住んでいて、周りの友人からも、動物が飼える賃貸は少ないよなどとも聞いていました。娘の進学を機に、玉川エリアに移動したことと、分譲マンションを購入したことも大きな転機でした。

石原)エリアの問題もありますよね。海外から来られる方は、東京の中心部に来られる方が多いと思いますが、都心に住めば住むほどペットとの暮しは難しくなると感じますか?

テニー) はい。本当にそう思います。外国人の友人で、ペットを飼っている人も多くいるんですが、家を探すのが大変だとよく聞きます。特に大きな犬なんて、もうどうしようもないですよ。すごく高い家賃を払っても、ゴールデンレトリバーを飼える家を見つけることができなかった友人がいます。気に入った物件10件中1件大型犬可あれば良い方で、特に港区エリアで家を探すということにおいては、大型犬は不可能に近い気がします。

石原)本当に、皆さんのご苦労お察しします。
テニーさんは、今回お家を探すにあたって、特に妥協せず探し当てることができましたか?

テニー)私たちは今回とてもラッキーで、エリアは玉川にしようとまず決めて、そしたら玉川は犬を飼うのにとても良い場所だということに気づいて、このマンションなら小さい犬なら飼えるということで、色々とうまく偶然つながったと思います。

石原)それは良かったですね!家を探す時は、どういったツールを使って探しましたか?

テニー)不動産会社にも相談していたし、オンラインの情報もチェックしていて、
良い物件をみつけ次第不動産会社に問い合わせていました。
日本と世界のペット事情

石原)テニーさんは、日本のペット環境はグローバルスタンダードだと思いますか?

テニー)私が話せるのは、母国のインドと、ヨーロッパについてですが、日本でペットを飼うのは、インドやヨーロッパに比べてとても難しいし、厳しいと思います。連れて行けない公園も多いですし、ドッグランも色々な証明を持って行かなくてはいけなかったり、公園の中でも端っこの小さなエリアがドッグランになっているというだけのことが多いです。リーシュを離していられる場所と考えると更に数がありません。ドッグフレンドリーと言っても、本当の意味でのドッグフレンドリーな施設ではないところがほとんどです。
家族旅行でも、ペットはオッケーでも子供はダメなところや、子供が喜ぶところはペットがダメだったり、ペットと一緒にというのがとても難しいです。
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先週も、ペットフレンドリーなキャンプサイトがみつからなかったので、ペットフレンドリーなグランピングに行きましたが、割高な金額を払っているのに、部屋には連れて行っても良いけどケージに入れておかなくてはダメだというルールがあったり、専用エリアのドッグランはとても小さくて、さらに雨も降ってしまったので遊ばせることもできず、近くのカフェにも犬連れでは入れず、本当に大変でした。
石原)ヨーロッパやインドでも、鳴き声や毛が散るとか、公共の場でトイレをしてしまうなどあると思いますが、周りの人はどういう風に思われていると感じますか?
日本とは違いますか?

テニー)ヨーロッパでは、だいたいどこの場所でも、電車でもバスでも、犬を連れて行けます。ケージがなくても、リードだけで連れて歩けます。私は犬がうるさいなどヨーロッパで感じたことはなくて、だいたい皆さん”犬は犬”という感覚で、子どもが騒ぐのがしょうがないと感じるのと同じように犬だからしょうがないという感じで、特に気にする人が多くありません。
日本は、ペットオーナーはすごく気にしながら生活しなくてはいけないと感じます。私も、日本では、子供が近くに来たら飛びかからないようにしなきゃとか、ペットといるときは本当に色々と常に気を張って生活しています。

石原)そうですよね。分かります。日本もヨーロッパのようにペットに対して寛大になって欲しいと思いますか?

テニー)そう思います。例えば、六本木ヒルズでさえもケージに入っていないと犬を連れてあるけなくて、犬を飼うまでは気づかなかったけど、建物内ではなくても、外でも施設内はケージがなくてはダメでした。そういう部分は、少しやりすぎな感じはします。
公共も乗り物も犬を連れて乗れませんし、車がないと、ペットとの生活は難しいですね。

石原)ちょっとびっくりですね。そう聞くと。
どこから、この犬に対しての文化の違いが生まれたと感じますか?
インターナショナルな目線で、是非教えてください。

テニー)日本は、清潔であるということが、とても大切にされていますよね。例えば、私はお散歩から帰るとわんちゃんの足を拭きますが、それを外国人の友人に話すと、犬は犬なんだから、拭いてあげる必要ないじゃないと言われます。でも、日本人の友人に拭かないと言えばとてもびっくりされるでしょう。私も日本に長く住んでいるので、拭かないということは考えられないですが、清潔であるということに重きを置くと気になる人がたくさんいるのも納得できます。また、ヨーロッパのお家は広いので、ここは犬がいても良いエリア、ここはダメ、など分けることができるのも関係しているかもしれません。

石原)靴の文化もありますしね、
ずっと辿っていくとそういう違いまでいくような感覚がありますね。

テニー)また、”犬は犬、人間じゃない”という考え方がヨーロッパでは強い気がしますが、日本ではもっと人間のように犬を扱っているような感じをうけます。私もそうなっていますが。(笑)
日本人はとてもプライベートで、パーソナルスペースを大事にしますよね。犬がいない人は、犬とは別の場所で生活したいという感じがするので、公共の場では別々の場所が必要なのかもしれないと思います。ヨーロッパでは、全部ごちゃまぜで大丈夫。犬が来たら、気にしない人は気にしないし、気になる人は別の場所に行けばいいという考え方な気がします。
MUSUBIが提供するペットのためのサービス

石原)MUSUBI houseが提供したいと考えている、ペットに対してフレンドリーな環境を整えたい、そういったペット関係のサービスまでしてくれる住環境についてはどう思われますか?ざっくばらんにお話ししていただきたいです。
テニー)それはとても良い考えだと思います。コミュニティーとして、pet loverなコミュニティーを築いてもらえるのは素晴らしいです。ペットを飼っている人は、いろんな家族の形があると思いますが、例えば私たちのような子供のいる家族にとっては、子供も犬も一緒に楽しく過ごせる場所があれば、みんなで楽しめるのでとてもありがたいです。ドッグカフェも、犬のメニューだけが充実してるけど、子供が食べられるものはないなどが多くて、そういうのが両方あったら良いと思いますし、友人ともよくそういう話しをしてます。
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石原)かかりつけの動物病院はありますか?

テニー)あります。友人が紹介してくれたクリニックです。短い期間なら預かりもしてくれるところです。いつもペットのいる友人とは、情報交換をしていて、みんな良い場所を探しています。特に、外国人にとって大きな問題は、長い期間預かってもらえる場所がないこと。私たち外国人は3週間くらいの長い休みをとるので、ペットホテルの狭いケージにいれっぱなしにするというのは嫌で、広い場所で、散歩もしてくれる、という場所をいつも探しています。ほんとうに、みんな探してます。

石原)
最後に質問なんですが、もし、魔法の杖があったら、
日本の建築において、何が欲しいですか?どんな願いがありますか?

テニー)欲をいえば、もっと広いスペースが一番ですけど、せめてバルコニーが広くて、安全だったら良いのにと思います。日本で、お庭をもつのは大変だということはわかってるので、欲しいけど、お庭あったら最高ですけど、ウチのせめてバルコニーが広くて、柵の間が広く開いてない安全な場所で、外の空気を吸わせてあげられたらと思います。

石原)
なるほど。そうですね。スペースですよね。分かりました。
今日は、貴重なお時間をありがとうございました。色々と伺えて、フレッシュなアイディアが生まれそうな気がします。

テニー)ありがとうございました。私もとても楽しかったです。
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